BL2S1 単結晶X線回折(名古屋大学)

ビームライン概要

 大面積の二次元検出器 (ADSC Q270)による単結晶の X 線回折測定により,タンパク質や機能性有機分子などの結晶構造解析が可能です.水平分散の非対称結晶分光器のビームラインですが,複数の分光結晶を交換して使用することで広いエネルギー(波長)範囲を使用することが出来ます.試料結晶ゴニオは XYZ ステージ付き高精度高速回転軸ゴニオで,標準先端部は凍結タンパク質結晶用のクライオピンがそのまま磁石でマウント出来る標準的な構造ですが,特殊な先端部を整備することでさまざまな試料結晶にも対応可能です.

 単結晶 X 線回折装置は 2 θ 光学台上に設置され,2 θ の回転範囲は 12.5 - 33.5 度です.試料結晶ゴニオは XYZ ステージ付き高精度高速回転軸ゴニオで,先端部は凍結結晶測定用のクライオピンがそのまま磁石マウント出来る標準的な構造です.カメラ長(試料結晶:検出器距離)は 90 - 340 mmで可変で,検出器は二次元検出器(ADSC Q270)を備えております.凍結結晶用のコールド窒素ガス吹きつけ型冷却装置を保有していますが,回折計が 2 θ ステージに搭載されているため,凍結結晶試料の自動交換には対応していません.

光エネルギー
11.0,17.2 keV (1.12,0.72 Å)
ビームサイズ 0.2 mm×0.2 mm (幅×高さ)
分解能(E/ΔE) > 2000 @ 12keV
光子数
1.1×1010 Photons/sec @1.12Å
4.6×10Photons/sec @0.75Å

ビームラインの空き状況

  BL2S1の空き状況の確認に活用してください。

 

現在の整備状況

サンプルホルダー

18 mm のCrystalCapを磁石でマウント (参考)メーカHP

(注記)BL2S1ではcopperタイプを推奨します.Copper 軸でない場合、長時間露光では霜が育つ場合があります.

制御ソフト

PFの構造生物BLグループで開発使用されている【UGUI】を導入

解析ソフト

XDS と iMosflm がインストールされています

使用可能なモノクロ結晶

λ=1.12Å, 0.75Å, 1.8Å

検出器

Q270(CCD)

受光面

270 mm正方形

カメラ長

90 mm ~ 340 mm可変

分解能早見表(Å)

       Q270      
  波長(Å) 0.75 1.12 1.80
検出器距離 90mm  0.79 1.18 1.91
検出器距離 340mm  2.00 2.98 4.79
 
検出器高さを140mmあげたとき    
  検出器距離 90mm  0.64 0.95 1.53
検出器距離 340mm 1.12 1.68 2.70

(2019.12 現在)

ビームラインのリファレンス